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刑事手続きの流れ(逮捕)
| 東京・立川の弁護士中田雅久

捜査段階の刑事手続きの流れと早期の弁護人選任の重要性

典型的な事件で、捜査段階の刑事手続きは、以下のように進行します。

◆警察官は、被疑者を逮捕すると、48時間以内に検察官に被疑者を送致しなければなりません。送致しない場合は、被疑者は釈放されます。

◆検察官は、警察官から送致を受けた場合、24時間以内に、裁判官に対して勾留請求をしなければなりません。勾留請求されない場合は、被疑者は釈放されます。

◆検察官から勾留請求を受けた裁判官は、被疑者を勾留するかどうかを判断します。

◆検察官は、被疑者が勾留された場合、勾留請求をした日から10日以内(勾留延長がされた場合は20日以内)に、公判請求(起訴)するかどうかを決めなければなりません。

★要するに、逮捕されてから、最大23日間で、起訴されるかどうかが決まることになります。

逮捕とは?

逮捕とは、捜査機関が(現行犯逮捕の場合は、被害者・目撃者などの私人が逮捕することもあります)、被疑者の逃亡及び罪証隠滅を防止するために、強制的に被疑者の身柄を拘束する行為をいいます。

警察官が被疑者を逮捕した場合、48時間以内に、被疑者を検察官に送致しなければならず(刑事訴訟法203条1項)、検察官は、警察官から送致を受けた場合24時間以内に、裁判官に対して勾留請求をしなければなりません(刑事訴訟法205条1項。なお、検察官自身が被疑者を逮捕した場合は、逮捕から48時間以内に、裁判官に対して勾留請求をしなければなりません。刑事訴訟法204条1項)。

従って、逮捕による身体の拘束時間は、最大で72時間です。

検察官が、勾留請求しない場合は、被疑者は釈放されます。

逮捕の種類

逮捕の種類は、①通常逮捕、②緊急逮捕、③現行犯逮捕の3種類です。

通常逮捕

通常逮捕とは、逮捕の原則的な形態で、事前に裁判官が逮捕の理由と必要性を審査したうえで逮捕状(令状)を発布し、これに基づいて被疑者を逮捕することです(憲法33条、刑訴法199条1項)。

逮捕状は、検察官、一定の警察官が裁判官に対して請求し(刑訴法199条2項)、裁判官が、逮捕の理由(「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」。嫌疑の相当性)と逮捕の必要性(被疑者が逃亡したり、証拠を隠滅したりするおそれ)を審査して、これが認められる時に発布されます。

緊急逮捕

緊急逮捕は、一定の重大事件について、罪を犯したと疑う充分な理由があり、急を要するため逮捕状の請求が間に合わないときになされるものです。逮捕状(令状)の請求は事後的にされます(刑事訴訟法210条)。

現行犯逮捕

現行犯逮捕とは、今まさに犯罪を行っている者や、今まさに犯罪を行い終わった者を逮捕することで、私人でもできます(刑事訴訟法212条、213条)。この場合は、逮捕状(令状)なしで逮捕が行われます。

現行犯逮捕では、裁判官のチェックなしで逮捕が行われており、身体拘束の必要性がない場合も一定割合あります。そのため、検察官に勾留請求をしないように働きかけたり、裁判官に勾留請求を却下するよう働きかけることで、勾留を回避し、早期に身体拘束から解放される場合もそれなりにあることが特徴です。

そこで、現行犯逮捕されてしまった場合には、直ちに弁護士を付けて、検察官あるいは裁判官に、勾留の必要がないことを訴えかけることが、通常逮捕の場合に比べても、特に重要だと言えます。

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